ベイルート大爆発事故!硝酸アンモニウムの危険性!肥料や排煙NOxの触媒に使用! [各種問題]
8月5日レバノンの首都ベイルートの倉庫が大爆発し、多数の死傷者と甚大な被害を引き起こしました、その原因は大爆発した倉庫の中には、ご覧の写真の硝酸アンモニウム(ammonium nitrate)化学式 NH4NO3が大量に保管され、付近で発生した火事で加熱され大爆発を起こしたと思われます。
この硝酸アンモニウムは、意外に身近な所にある可能性がありますのでご注意下さい。
一般には、尿素などと呼ばれ肥料等に使われています。
墨田区内でも工場説明会の際に知ったのですが、ディゼル車のフイルターの触媒を製造している会社があり、説明会の際に原料として尿素を貯蔵している事を知り爆発の危険性を経営者と許可する側の墨田区の理事者のいる前で指摘させていただきました。
しかし、墨田区は工場の設置許可を出してしまいましたので、工場火災や付近で火災が発生した場合、大爆発する可能性がある事を知った上で墨田区は許可を出した責任がある事になります。
硝酸アンモニウムNH4NO3を触媒として使うには、加熱又は塩化物イオンを利用して、分解するとN2O+2H2Oとなり、ディーゼルエンジン等が出す有害な排煙に含まれるNOxを減らす事が出来ます。
しかし、硝酸アンモニウムNH4NO3を210度前後に加熱しますと、2N2-4H2O+O2となり爆発します。
ベイルート大爆発事故では、次の事が起こっています。
最初に、硝酸アンモニウムNH4NO3の保管された倉庫の付近で火災が発生します。
このもう少し前の時点で、住民に危険を知らせ安全な場所に身を隠して貰えれば被害を最小限に出来たかも知れません。
少なくとも野次馬が集まる事をさせない必要があります。
遂に硝酸アンモニウムNH4NO3が大量に保管された倉庫が爆発しました。
この段階で、衝撃波と呼ばれる大きな音が出ますので、この段階で身を完全な場所に隠れるか、床などに伏せていれば爆発による飛散物から身を守れます。
赤いや矢印の部分は爆発に伴い発生した猛烈に膨張したガスでこれが爆風となっ周囲の空気を押し広げて行きます。
これは、大変危険で爆風に混ざって吹き飛ばされたあらゆるものが飛んできます。
直ぐに、硬い柱の陰などに身を隠す必要があります。
これは爆心地付近で撮影したと見られる方が撮影したものですが、爆発が周りの空気を押し広げている様子が分かります。
撮影者は怪我をされているかも知れませんので、怪我が軽い事を祈るばかりです。
膨張した爆風が高層ビルの弱い部分を吹き飛ばして行く状況がうかがわれ、大変危険な爆発である事が分かります。
次の瞬間には、手前の低い建物のガラスを破り内部を通り抜けて反対側の窓ガラスを破壊した事が、カーテンが膨らんでいる事から分かります。(ここまでの写真の出典は;Global NEWS)
それで、何処が爆発の中心地だったのでしょうか。
これが、同日の爆発前の衛生写真で、赤い矢印の所にある倉庫に注目してください。
赤い矢印の先端が爆心地で、倉庫は完全に吹き飛び、地面には縦長の大きな穴が爆発で生まれていますので、倉庫いっぱいに硝酸アンモニウムが貯蔵されて居た事が分かります。
付近に停泊していた船は爆風で沈没し、対岸の大きな船が転覆しています。
現地のメディアはまるで原爆の様だと言う表現をされいますが、本当に悲惨な爆発で付近の建物は全て吹き飛び、半径約5キロに渡り被害が及んだと伝えています。
火災の際には爆発の危険がありますので、特に工場や倉庫の火災の時には危険性を把握している消防署関係者者しか近づかない様にして下さい。
この事故で亡くなられた方のご冥福をお祈り致しますと共に、怪我をされて方のご快復と生活環境の一刻も早い復興をお祈り致します。