北十間川の護岸に石垣風タイルを水面下にどうやって貼るのか? [墨田オンブズマン大瀬康介の行動力]
写真は北十間川の護岸を耐震護岸に整備しその後に石垣風にする為に特殊なタイルが貼り付けられています。
ご覧の写真にある護岸に置かれたタイルはどうやって貼っているのでしょうか?
特に水面より下の部分が気になります。
そのタイルは金具で吊り上げられ潜水作業員に渡されます。
良く見ると壁面タイルには吊り金具が入る2つの穴が開いている事が分かります。
その穴がヒントです。
ダイバーに渡すカゴの中に入れているのは何か拡大してみますとアンカーボルトで、先端のピン状のものを打ち込むと先端がコンクリートに開けられた穴の中で開いて固定される構造です。
つまりダイバーがドリルで護岸のコンクリートに穴を開けアンカーボルトを差し込み、先端のピン状のものを打ち込んでアンカーを固定して更に、石垣状のタイルの穴にアンカーボルトを通してナットで固定している事が伺われます。
写真はエアー駆動のインパクトドライバーで、水中で電動ドライバーでは感電の恐れがあるので空気圧で駆動するドライバーが使われている様です。
この先端にドリルを付けて護岸に穴を開ける様です。
水中は水が濁って暗くなるのか水中メガネの上には海中電燈が付けられています。
水中の作業は水圧と水の抵抗で動きが鈍りますし、水が濁っている為に視界も良くありませんから、大変過酷な作業である事は言うまでもなさそうです。
こうした人々の努力で北十間川が綺麗に生まれ変わりますので、川全体も綺麗になって欲しいと願います。
この場所は、江戸時代には水が綺麗で白魚がいたそうで、シジミが大量に捕れたそうでシジミの名所だったそうです。
しかし、今ではご覧の浚渫作業で汲み上げられたヘドロを見て分かる通り、川底にはヘドロが溜まり、メタンガスが泡となって浮かび上がる為に酸欠になり、シジミは全く確認出来ません。
この水域では生活排水に含まれた栄養成分多過ぎる為に富栄養化に伴い水質が悪化していますが、半世紀前にはこの川の水も真っ黒で独特の臭いがありましたが、今では水質がかなり良くなり臭いも感じられなくなりました。
北十間川は江戸時代に大量の物資を輸送する為に作られた運河で、江戸の繁栄はこうした運河に支えられていました。
再びこの様な運河が再評価されれば江戸時代の様な繁栄が取り戻せるかも知れませんね。