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すみだ北斎美術館の謎を追う 第25話 怪しい北斎の門人の作品を購入!その4 [官僚利権とすみだ北斎美術館の研究]

20161120-1.jpgご覧の肉筆は葛飾北斎の門人である蹄斎北馬(ていさいほくば)の肉筆として墨田区が平成24年10月30日に232,475円で購入した「朝妻図」(あさずまず)です。

不可解な事にこの翌年にも蹄斎北馬とされる「朝妻図」を再び購入しているのです。

20161120-3.jpgご覧の肉筆は上記を購入した翌年の平成25年8月6日に30,700円で葛飾北斎の門人である蹄斎北馬(ていさいほくば)の肉筆として墨田区が購入した「朝妻図」(あさずまず)です。

情報公開された写真が余りにも不鮮明ですが、来歴が不明ですし、平成24年の購入のものは表装が悪い事がわかりますし、平成25年のものは色調から古く見せる為に意図的に燻蒸された可能性が高いと思われます。

はっきり申し上げてこれでけ見ても贋作だと鑑定いたしますし、とても美術館の展示に耐えるものではないと思います。

そのそもタイトルの「朝妻図」の朝妻とは何かを解説しますと、寿永の乱の平家の都落ちにより女房たちが浮かれ女として身をやつしたものが朝妻と呼ばれ、客を求めて入江に船をながして居る姿を描いたものです。

画家からすれば「朝妻図」のテーマは平家物語の最大のテーマである「もののあはれ」と言う概念を如何に表現し描き込むかが画家の才能を発揮する重要なポイントになります。

墨田区が購入したこの2点の「朝妻図」に「もののあはれ」を感じ取る事が出来るでしょうか。

蹄斎北馬の朝妻を描いた作品で評価すべきものは、大英博物館所蔵の「朝妻舟図」がございますのでご覧ください。

大英博物館所蔵の「朝妻図」には人物像や言い知れぬ幽玄に裏打ちされた「もののあはれ」が描かれており蹄斎北馬の才能に触れる事が出来ると思います。

しかしながら墨田区の購入した「朝妻図」には洗練された繊細な「もののあはれ」が一切感じられません。

改めて資料収集員や資料評価委員の見識を疑わざるを得ません。


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