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新内にみる三味線文化と物語! [日本文化]

20161104-1.jpg4日新宿区の神楽坂劇場で新内協会主催の演奏会があり行ってきました。

3日には中央区の日本橋劇場で歌と舞踊の会があり連日各舞台を拝見いたしました。

最近は各区が新しい劇場をオープンしており、使い勝手が悪く設備が老朽化している割に会場が取り難い墨田区から他区へ移り行く傾向が感じられます。

新内、小唄、長唄、常磐津等の三味線を使う演目では楽屋が広くないと三味線の音合わせや着物の着付け等で座敷の楽屋が必要ですが、こうした施設がある劇場が少ない為に和物を演じる劇場が限られてしまいます。

新内の場合は一曲20分という長さで様々な物語を歌いながら語りながら演じるもので、そのルーツは古く1560年代まで遡りますと琵琶法師が起源の様です。

時代と共に変化したり分派して地唄、義太夫、常磐津、長唄、端唄、小唄、清本、浪曲等に分かれて来た事が伺われます。

現代の様にテレビ等の娯楽が無かった時代に、こうした芸能人が物語を伝え浄瑠璃や歌舞伎で演じる事で様々な日本文化が生まれ伝承されて来ました。

こうした文化は、師匠が弟子に直接伝え伝承される事で引き継がれる文化ですから、一度廃れてしまうと基には戻す事は大変難しかったのですが、今では映像に残せる時代になっています。

しかし、映像だけでは残せないものもありますので伝承が大切な事とより多くの人達が見る事の出来る場を確保する必要があります。

特に習い事は「芸は身を助く」と言う言葉がございますが、その意味は一芸を身につけておくと、いざというとき生計を助けることもあるということで、仮に全ての財産を失っても体一つでも身に付いた芸でいざというとき生計を助けられると言う先人の知恵です。

やはり芸能と言うのは素晴らしいもので、それは「無から有を生む」事ではないでしょうか。

江戸時代には、芸能人が関所を通過しようと思えば通行手形無でも一芸を披露すれば通れたそうです。

その理由は厳しい身分制度の中で最下層に位置し、自由奔放に生きる彼らを土地に縛り付ける事が出来なかったり、所得の源泉が把握できない等の理由で相手にしなかった様です。

現代社会においても不思議な存在で、芸と言う形の無い無から、価値を作り出し、それが一回毎に消えて行くのですから、経済学の理論では説明できるものでは無く、才能が生み出す価値なのかも知れません。

芸事の不思議な事は修業を積めばある程度の才能が身に付くことではないでしょうか。


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