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すみだ北斎美術館の謎を追う 第18話 価値の低い後刷り版画も高値購入!その2 [官僚利権とすみだ北斎美術館の研究]

20161111-1.jpgご覧の葛飾北斎の版画は、平成2年7月11日3,090,000円「冨嶽三十六景 御厩川岸より両国橋夕陽見」と呼ばれる版画ですが非常に保存状態が悪い上に精査しますと価値の低い後刷り版画を309万円と言う高値で購入している事が分かります。

つまりこれも利権が税金を食い荒らした残滓に過ぎないものですが、未だに墨田区はこれが価値の低い後刷り版画である事に気付いて居ない様で、すみだ北斎美術館のHPに掲載しているのをご覧下さればお分かりになると思います。

20161111-2.jpg先ずこの版画の古美術品としての価値に関する問題点を解説しますと一番上の矢印をご覧ください。

この部分で2つに折られて居る事が分かりしかもこの織り目が茶色く変色していますからかなり保存状態が悪い事が分かります。

続いて下の段の矢印部分を左から順番に解説しますと、一番左の矢印が示す竿の部分に微妙なズレ、続いてその隣の旅人の杖の上部にも点の様なズレがあり、一番右の旅人の竿は本来は白抜きである筈がズレて色が付いてしまっています。

更に手前の大川の水面部分をご覧ください初版なら全体的にベロー藍で濃い紺に着色されていますが薄い水色で刷られています。

また、上部の空の部分は吹きぼかしと言う手法で摺られていますが、初版と言われるものは重く雲が垂れ込める様に下がっていますがこれが上部だけで、川面の波のうねりとマッチしていません。

こうした事から価値の低い後刷り版画を初版並みの価格で意図的に購入した可能性が疑われます。

20161111-3.jpgこれは古美術商が平成11年末頃販売していたものですがその価格は200万円で墨田区が平成2年に購入したものよりも保存の程度が良く大川の水面部分は深い青で着色され明らかに区のものよりも初版に近いものです。

墨田区は葛飾北斎を顕彰する為に美術館を建てると言っておりますが、顕彰する側がここまで作品を見る力が無いと言うか目利きではない事を考えますと葛飾北斎の価値を逆に貶めてしまうのではないでしょうか。

葛飾北斎を顕彰するなら本物を展示すべきで、利権の残滓ばかり保管され、対外的に公開できるのがピーター・モースコレクションだけでは困ります。

葛飾北斎の本物の「冨嶽三十六景 御厩川岸より両国橋夕陽見」の初刷りをご覧ください。

20161111-4.jpgこれが初刷りで保存の程度の良いものです。

当時の旅人が両国から江戸に向かう旅心が良く描かれいますし、水面の深い青が舟板一枚下は地獄と言う大川(現隅田川)の怖さも表現して居ますし、重く垂れ込めた空が間もなく日暮れで渡れば宿で一休みと言う安堵感も描かれています。

やはり皆様には本物も北斎を見て欲しいと思います。

贋作や後刷版画ばかり見てしまうと本物が見えなくなってしまいまし、自称評論家と称する人達の権威主義的な論評ややたら常套的なほめ言葉の羅列に惑わされないで欲しいと願わずにいられません。


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