すみだ北斎美術館の謎を追う 第16話 価値の低い後刷り版画も高値購入!その1 [官僚利権とすみだ北斎美術館の研究]
区民の税金で189万円で購入した葛飾北斎の「百橋一覧」の改題版後摺「諸国名橋一覧」、改題版後摺がこんなに高い価格で購入されていました。
相場は物好きも居ますので大判版画を考慮しても30万円程度と思われますが、美術館が展示の為に購入するにはオリジナルではありませんので疑問があり、毎年1億円の北斎資料収集基金が使いきれず血税が捨てられた様です。
ご覧の版画は、葛飾北斎の「百橋一覧」(版元:西村屋与八)で墨田区は世界的な収集家であるピーター・モース氏のピーター・モース・コレクションを一括購入しており、価値のある初刷と思われる「百橋一覧」を既に所有しています。
それにも係わらず価値の無い後刷りを189万円で購入したのでですから毎年1億円の北斎資料収集基金が過大過ぎる割に良いものは流通していない為にガラクタしか買えない事を物語っているのではないでしょうか。
ちなみに画面右上の文章は、葛飾北斎がこの作品について悩みぬいたあげく、心の中に浮かんだ幽玄の世界を描いたものであるからその地名は知らないと言う事が書かれています。
これをわかり易く言えば、葛飾北斎の感じた黄泉の国を描いたと言っても過言では無いと思われ、他の北斎の名橋シリーズでは地名が書かれていますがこれには書かれていません。
つまり、現世には存在しない幽玄の風景ですから色のトーン抑えられているのがわかります。
しかしながら、永田生慈資料評価員らが購入した改題版後摺「諸国名橋一覧」には、版元が売り易い様に着色され北斎が描いた幽玄の世界が無残にも台無しにされてしまっています。
美術品の本当の価値が分からない輩が手を加えてしまいますとこうなりますし、まして利権を食い荒らす輩は毎年1億円の北斎資料収集基金を使いまくってその残滓がこうして残されるのです。
北斎を顕彰するのならその芸術性を評価し、芸術的な価値のある作品だけを集めるのが美術館だと思いますが、墨田区の場合、基金消化の為に北斎と関係づけて何でも莫買いし利権に変えてしまう発想の様です。
最近開館が近いせいか、各出版社が北斎を特集した新刊本を出していますが、その中身が大変お粗末なものが多く出版社の編集レベルがかなり落ちて居ると感じざるを得ず、鵜呑みにしないで欲しいと願うばかりです。