SSブログ

すみだ北斎美術館の謎を追う 第12話 2000万円で購入の韓信山水図も利権の残滓!   [官僚利権とすみだ北斎美術館の研究]

20161102-1.jpgご覧の肉筆は、墨田区が平成20年に19,425,000円で購入した「韓信山水図」(かんしんさんすいず)も来歴を調査して居るとこれも来歴から贋作の可能性が高い事が分かって参りました。

20161102-2.jpg墨田区が購入した韓信山水図の来歴を調査して見ると、昭和9年当時の美術商の売り立て目録に同じものがある事を友人が見つけて下さいました。

当時の売り立て価格は僅か890円でした。

昭和9年と言うと今から79年前ですので当時の物価水準を考慮する必要がございますので当時の物価統計から算出してみましょう。

計算し易くする為に昭和9年に1円であったものを探しましすと日本酒一升の中でも2級酒の価格が1円で1級酒が1円48銭でこの価格差は現在の日本酒の価格と比べても大きく変わりません。

そこで、現在の2級酒と言う制度が無くなっておりますのです下等酒の1升の価格から相場を考えますと500円から1400円のレンジで分布していますので仮に900円として考える事に致します。

昭和9年当時890円だったこの肉筆の価格を現在の価格に換算しますと80万1千円になります。

これは日本銀行の物価統計資料からも別な方法で算出してもほぼ同等の結果でした。

ここから分かるのが80万円程度の価値のものを墨田区は19,425,000で買うのですから20倍を超える価格で購入している事になります。

昭和9年と言うと肉筆浮世絵の大規模な贋作 偽造事件の春峯庵事件が起こった年で、この事件後に贋作を警戒して肉筆浮世絵の価格が大きく下落したと言う新聞の報道がありますが、売り立て目録は事件前のものと思われます。

その理由は、事件後に皆が警戒して浮世絵を買わない時に敢えてコスト支払ってまで売り立て目録を作っても売れませんし、逆に買い叩かれるのを警戒して出さなくなるからです。

更にこの肉筆の存在は殆ど知られておらず、平成19年12月4日~平成20年1月27日に江戸東京博物館で行われた「北斎 Siebold & Hokusai and his Tradition」と題された展覧会で突然登場して居るです。

事実上東京都の官僚の天下り先である江戸東京博物館(建設費583億円平成5年3月28日開館、年間概算赤字90~100億円)ですから稼働率を増やすための杜撰な展示や役人は古美術品は分からなまま行われた事が伺われます。

墨田区は平成20年9月16日にこの韓信山水図を購入して居るので、キャラバン展示の最終である山口県立萩美術館・浦上記念館:平成20年4月5日~5月18日以に降美術商を経由して持ち込まれた事になります。

この韓信山水図が展示された美術館は江戸東京博物館、名古屋市美術館、山口県立萩美術館の3館で何れにも共通するのが地方自治体の作った美術館だと言う事です。

つまり厳格な調査が行われる国立美術館には展示せず、チェックの甘い自治体の美術館で展示している事、展示後墨田区に売却されて居り、天下り利権が互いに連携しているのか腑に落ちない点がございます。

整理すると来歴の調査はきちんと行われたのか、価格を釣り上げる為に地方の美術館に敢えて展示したのではと言う可能性も視野に入れて妥当な購入価格なのかを検証する必要があるのではないでしょうか。

ご参考までに、この肉筆は北斎の画風とは思えないヶ所が複数存在し、きちんと検証すべきだと言う専門家の声もあるのです。

私ははっきり申し上げて総合的に判断して贋作だと鑑定致します。


nice!(8) 
共通テーマ:ニュース

nice! 8

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。