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景況れぽうとから読み取る墨田区の産業別景気動向!機械製造業回帰の動き!前編 [墨田区の産業経済動向]

12Apr2018-2.jpgご覧のグラフは墨田区の企画経営室が四半期毎に発行する「景況れぽうと すみだ119」に掲載されたもので、ここから読み取れる状況を解説したいと思います。


「平成29年10月~12月期の区内中小企業の業況は、建設業はやや良好感が強まった」と解説していますが、現実にはかなり好調で東京オリンピック特需よりも、相続税対策や建替え需要が好調だったと思われます。


しかし、今後の動向として金融機関のサブリースに対する融資の規制がかかり始めており、土地活用としての建て替えが減少する事が予想されます。


金融機関のサブリースに対する融資の規制の背景には、地方や郊外の都市では供給が過剰になりサブリース業者が倒産したり建物のオーナーが契約更新毎に賃料が値下がり自己破産が増えている事が理由として挙げられています。


区内産業は建設業以外は水面下で相変わらず厳しい状況ですが、製造業及び卸売業はやや悪化幅が縮小しており、この背景には円安傾向や製造の国内回帰が見られます。


不動産業は大きく改善傾向に向かっており、この背景にはバブル期に建てられてビルが売却されたり建直しやリニューアル工事で新たない需要が生み出される傾向にあります。


その一方で小売業は大幅に業況感が落込んでおり、消費者がものを買わない傾向がありそれは勤労者層の可処分所得が伸びて居ない事にその原因がありあそうです。


サービス業は前期においてプラスでしたが、今期は再び悪化に転じその落ち込みは厳しくなる事が予想されます。

その最大の要因は勤労者層の可処分所得が伸びていない処か、賃金の伸び幅を上回る公的負担の増大で家計が苦しく、サービス業に対する支出が抑えられてしまう傾向があるからだと思われます。


12Apr2018-3.jpg業種別では製造業は復活の兆しを見せており、全体的に水面下ですが、機械関連の製造業が水面下から抜け出し始めました。


この背景には、人材不足の影響で社員集まらない業界を中心に省力化によるコスト削減や自動化で設備投資が増え始めている事が挙げられます。


最近のスーパー等ではレジの簡素化が進み、レジではバーコードを通すだけにな支払いは支払機で行う様に変わって来ています。


こうした設備投資が日本経済を拡大させる要因ですが、経営者の中には人件費が安く使える外国人を入れる事を求める方もいらっしゃいますが、これでは勤労者の所得が増えませんから長い目で見れば消費が冷え込んでしまいます。


個人消費を拡大させるには、人件費を抑えるのではなく省力化の投資を行い働く人の手間を省きその分付加価値の高い仕事をしていただいて付加価値が向上した分給与を増やし可処分所得を増大出来れば景気は更に良くなります。


注目すべき点は、都内製造業に比ぺ依然としてやや低い水準にあ事でこれは小規模事業者が多い事を示す結果と思われます。


製造業全体では、今期の売上額はわずかに改善したものの収益は前期並の減少が続く背景には、原材料価格の世界的な高騰が要因ですがそれを販売価格に反映できない現実がある事が読取れます。

12Apr2018-4.jpg小売業は相変わらず大変厳しい状況が続いており、経営者の努力では改善出来ない国や地方の政策による影響が強いと見られます。


先に述べた通り、勤労者層の可処分所得が伸びて居ない上に、国民健康保険料や国民年金保険料の負担が所得の伸び以上に大きく、家計が火の車状態ですから消費が抑えられてしまう事がその要因と思われます。


小売業の場合は物流コストの増大に伴う仕入れ価格の増大と消費の落ち込みの板挟み状態で収益は減り続けており、政府による支援が必要な状況ではないでしょうか。


墨田区も地域振興や商店街振興策として地域振興商品券の発行などの対策が必要と思われますので、区議会でもこの問題を挙げて参ります。


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