墨田区議会第4回定例会最終日!陳情に対する委員会報告に対する反対討論をしました [墨田区議会]

区民の皆様から出されてた陳情の内3件について「趣旨に副う事は困難である」と言う理由で委員会審査報告が出された陳情について採択すべきとする反対討論を行いました。
発言原稿を下記に掲載致しますので是非ご覧ください。
墨田オンブズマン、大瀬康介でございます。
陳情第14号臓器移植環境の整備に関する陳情について。
我が国においては、臓器移植環境が整備されていない為に、臓器移植の必要な人々が生き残る道は海外で移植を受けるしか現実にはありません。
このため陳情項目の1から4にあるように、臓器移植の環境整備が必要な事は言うまでもございません。
特に問題なのは項目5の部分で、貧困層から臓器を買取るなどの臓器売買を仲介している闇組織の存在が国際的な問題として指摘されています。
また、国よっては人命を尊重しない国家が存在する事は周知の事実ですが、こうした国では政治犯などで投獄された人の臓器が、臓器移植希望者の臓器と適合すると抜き取られる事も行われていると言う報告もございます。
この事は正常なドナー制度がない国なのに、最低でも移植手術は年間6万件も行なわれているという現実からも明らかであると考えます。
昨年、カナダの人権弁護士デービッド・マタス氏とお会いした際におっしゃった事に、こうした国の医師が日本で移植手術の技術を学んだり、移植病院設立の資金提供を受けているなど、臓器の不正摘出への関与の可能性を指摘されて、大変ショックを受けました。
臓器を商品化して儲ける人がいる半面で、自分の意思に反して臓器を取られる為に殺されている人がいると言う現実に私達はきちんと向き合うべきだと思います。
テレビやマスコミが報じないのは、報じられないだけではないでしょうか。
こうした現実を知らずに不採択にした委員会審査報告には納得が行きませんし、犠牲にされる人々の人権や命を守る為には、当該陳情は採択すべきだと考えます。
一刻も早く臓器の為の殺人はやめさせかければならないと思います。
陳情第17号、株式会社島田商店による墨田区東墨田二丁目16番における工場建設の認可申請に関する陳情について
株式会社島田商店による墨田区東墨田二丁目16番における工場建設の認可申請に関しましては、当該工場で製造を予定している製品に尿素水がございます。
ここで製造された尿素水には危険はないと思われますが、その原料の尿素は、火薬取締法施行規則第一条の三で爆薬に指定されています。
なぜ指定されているかと申しますと、この原料が脱水反応などの化学反応を起こしますと大爆発する恐れがあるからです。
警視庁は国内外の爆弾テロ事件、爆発物製造事件等において、爆発物の原料に使用されたことがある11品目、いわゆる「指定11品目」において尿素を指定しています。
このため、爆発の危険だけでは無く、テロリスト等がこれを狙って侵入する危険もあります。
また、当該工場で保管が予定されているトルエンは、加工しますと軍用のTNT火薬になります。TNTはトリニトロトルエンの略でこれは強力な爆発力があり、あらゆる爆発物の爆発力を測る基準として使われている程強力な火薬です。
核兵器の威力は一般に同じエネルギーのTNT火薬の重量に換算して表記される事からもその破壊力がお解りになると思います。
さらに、当工場で保管が予定されている次亜塩素酸は家庭でも使われる強力な漂白剤の原料で、これらの製品には「混ぜるな!危険」と大きく書かれています。
その理由は1.0ppm以上の塩素ガスが発生する製品には「まぜるな危険」の表示を記載することが義務付けられているからです。
このため、当該工場で保管が予定されている硫酸、塩酸、硝酸、燐酸、蟻酸、酢酸などの他の薬品と混ざりますと、保管量から考えて大量の塩素ガスが発生する恐れがあります。
この地区は、荒川が決壊すれば4~5メートル水没する恐れがある事は洪水ハザードマップにある通りです。
これだけの水位になりますとこうした薬品が貯蔵されているタンクが、浮力で浮き上がり流されたり、水圧でタンクが変形し溶接部分に亀裂や裂け目を生じ内部の薬品が流出し、互いに混ざり合い科学反応を起し、猛毒の大量の塩素ガスが発生する危険があります。
この様な危険物を保管する施設が人口密集地帯の墨田区に存在すること自体が問題ではないでしょうか。
私自身、説明会に何度も行かせていただきましたが、当該業者が各薬物の危険性を正確に理解していいないか、分かっていても知らせない可能性を感じました。
何よりも近隣の住民の皆様の生命や財産の安全を考えますと、委員会審査報告は実態を正確に把握しておらず認める訳には行きません。当該陳情は採択すべきものと考えます。
陳情第18号東墨田地区(東墨田一丁目から三丁目)の用途地域見直しに関する陳情
この地域の現状を調べてみますと皮革産業は衰退が著しく廃業が相次ぎその跡地が産業廃棄物の保管場所や残土置き場に使われるケースが目立ち始めています。
現実に多くの住民の皆様が住み生活している場所ですから、そこに危険なケミカル薬品が保管されたり、衛生上問題がある医療用の廃棄部物や埃が飛散し易い残土が置かれることは、住民の皆様の健康や衛生環境を阻害する恐れがあります。
また、残土は雨が降れば付近の下水道を詰まらせてしまう危険もあります。
こうした事情から、用途地域を見直し準工業地域に変える事が墨田区の安全安心に繋がりますので、当該委員会審査報告には反対致します。
私からの討論は以上です。ご清聴ありがとうございました。